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2002年6月10日のアルミタンク法改正に至る背景
事故の発生
ここでは、2002年6月10日のスクーバ用アルミタンク関係法令改正に関して、その改正に至った背景を紹介するものです。
「何があったのか?」 「どのような対応を取ってきたのか?」 そして「なぜこのような法令改正内容となったのか?」等についての情報を掲載しています。
★用 語
「調査委員会」・・・スキューバ用アルミニウム合金製容器調査委員会
「再検査基準委員会」・・・空気呼吸器用容器再検査基準改正専門委員会
「特定再検査」・・・容器検査所で行うスクーバ用アルミタンクねじ部の目視検査
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★沖縄県の空気充てん所でスクーバ用アルミタンクの破裂事故が発生
平成12年6月30日、沖縄県宮古島の空気充てん所で、スクーバ用アルミニウム合金A6351製容器の充てん作業直後、突然容器が破裂し、作業員1名が右足に打撲傷を負うという事故が発生。
当該容器は製造後10年6ヶ月が経過していたものの、直近の容器再検査は2年4ヶ月前に行われており、法令上問題となる容器ではなかった。
スクーバダイビングに用いられる高圧ガス容器は「継ぎ目なし容器」と呼ばれる高圧ガス容器であり、その製造方法から容器胴部の肉厚が最も薄く、底部および肩部の肉厚が厚くなっている。そのため容器破裂事故の多くは肉厚の最も薄い胴部から破裂する場合が多い。
しかし、今回破裂した容器の写真を見ると、肉厚が最も厚い容器肩部から割れた事が分かる。
法令に基づく検査を受け、事故時に過充てんでも無い容器が、なぜ破裂したのか?
またその破裂も、肉厚が最も厚く強度が十分である肩部から割れたという、普通では考えにくい事故であった。
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東京都八丈島の空気充てん所でスクーバ用アルミタンクから空気漏れが発生 |
平成12年8月8日、東京都八丈島の空気充てん所で、スクーバ用A6351容器の充てん作業中に、容器肩部から空気が漏れる事例が発生。当該空気充てん所からの情報は以下のようなものであった。
空気充填中にエアー漏れの音と共に圧力が上がらなくなったため水槽に入れて点検したところ、タンクの肩部に約1cmほどの亀裂が生じ、エアー漏れを起こしていた。
2000年9月15日に、1990年以前製造のアルミタンク45本のバルブを外しバルブ取り付けねじ近傍部を目視で検査。その内17本(最初の亀裂タンクを含む)から亀裂を発見。
目視で亀裂が認められない物については、問題無しとの事で、残り28本をそのまま使用。その後、使用中の28本の内1本が、2001年5月になり、再びバルブ取り付け近傍部よりエアー漏れを生じた。2001年5月10日、エアー漏れを生じた1本を除き、残り27本を検査したところ、24本から亀裂を発見。結果として、6351アルミ合金タンク45本中42本に亀裂が生じていたことになり発生率は約93%に達する。
上記の経緯を「高圧ガス保安協会」と経済産業省に報告。
2001年6月18日に、専門家が来島し1990年以降に製造されたアルミタンクの中から、10本を抜き取りで検査したところ、内4本のねじ部に亀裂を発見。2001年7月3日の時点での報告では、持ち帰った4本に生じていた亀裂の深さは、ねじ部の谷部までであった。
充てん所オーナーは、自ら容器を点検したときの事を以下のように語っていた。
「一番ひどい物は、ネック部から5本の亀裂が走っていた。平均でも2〜3本の亀裂が有った。」
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