クリーンエアー・プログラム
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1.空気清浄フィルター

充てん設備の中で最も頻繁にメンテナンスが必要性なのは、おそらく空気清浄フィルターの薬剤交換でしょう。
このメンテナンスを怠ると、たちまち臭いのする汚染空気が出てしまいます。

清浄システムは、油水分離とフィルターから成り立っていますが、二つの機能を一つの機器に組み込んだ一体型ストレーナーもあります。

フィルターの一般的な薬剤として活性炭が多く使われていますが、ほかにも水分除去剤、油分除去剤なども用いられています。
活性炭は臭いを除去する機能がよく知られています。活性炭はその、材質、形状、粒子の大きさなど様々な種類がありますので、必ずメーカー指定のものを使用して下さい。

交換薬剤をカートリッジ状にして、交換作業の軽減を図っている機種もあります。

薬剤の交換時期は使用している環境によって異なります。特に、高温多湿環境およびフィルター前段階の油水分離が十分行われないと薬剤の劣化が早くなります。それぞれのメーカーが運転時間で指定していますので、守るようにして下さい。

バウアー Pシステム
空気清浄システム
バウアーコンプレッサー(株) パンフレットより
東亜 ストレーナー
一体型ストレーナー
東亜潜水機(株) カットモデル


1.1. メーカー指定の薬剤交換時期例(参考情報)
各社の取扱説明書より


東亜潜水機
清浄剤(活性炭素およびフェルト)の交換
機種YS-55YS-75YS-85YS-85V
運転時間 (h)70〜100100〜150200〜250

運転時間に関係なく3ヶ月ごと
高温多湿の条件以外で、
ドレン排出操作を完全に行った場合の目安です。
バウアーコンプレッサー
フィルターカートリッジ・運転時間による交換目安表
使用コンプレッサーユニット外気温度 ℃交換目安運転時間 (h) 注1)
モデル名吐出量
(m3/h)
充てん圧力
19.6 Mpa
充てん圧力
29.4 Mpa
MV120-4-21220℃89〜72134〜108
30℃53〜4379〜65
40℃33〜2749〜41
注1) 処理可能空気量を基本に、運転時間の目安を示しています
松原鉄工所
活性炭の交換時期
運転環境、機械条件によって異なり、ドレン抜きの不足は寿命を極端に短くします。
通常は、運転時間、充てん圧縮空量(充てん本数)、圧縮空気のニオイ等によって判断します。
このためにも、運転・保守・充てん記録は正確に付けて下さい。
運転時間100時間で活性炭、フェルトの交換が望ましい例が多いようです。


空気清浄システムの構造は、空気充てんの設備概要の「3.空気清浄の仕組み」に出ていますので参照して下さい。



2.コンプレッサーオイル

化学合成油設備の運転管理ページ「3.コンプレッサーオイルの注意」の項で述べたように、カーボンの発生、負荷の軽減、内部を清浄に保つためにも、極力「化学合成油」を使用して下さい。鉱物油から化学合成オイルに変更する場合は、こちらの注意をご覧下さい。

コンプレッサーにはメーカー指定のオイルを適正量入れて下さい。オイルが多すぎると炭化したオイルによって弁の焼き付きを起こしたり、空気に過剰にオイルが混入したりします。少なすぎるとコンプレッサーの潤滑に支障が生じ、焼き付きの原因になります。

オイルは油面が静かな起動前にチェックします。運転中は正しいオイル量が表示されません。
油量はオイルゲージの中央から上限の範囲内が適切な量です。

オイルレベル
オイルの白濁や分離は設備の運転管理「オイルへの水分混入」を参照して下さい。


2.1. メーカー指定オイル例(参考情報)
各社の取扱説明書より


東亜潜水機(株)指定オイル 水冷式
モービル レーラス827名称モービル レーラス427
化学合成油成分鉱物油
・YS○○-A型使用機種・左記以外の場合

∗ 左記以外の機種でも、
お客様のご希望などによっては、
「レーラス827」をご使用頂くことが
ありますので、ご注意下さい。
・YS○○-AM型
・PHC-○○AM型
・機種を問わず、
空気以外の不活性ガス
圧縮用のコンプレッサー
・機種を問わず、
常用圧力20 MPa を越える
コンプレッサー
・その他、お客様が
特にご希望の場合
黒い文字のラベルオイル缶赤い文字のラベル


バウアーコンプレッサー指定オイル
鉱物油バウアー社純正鉱油 (部品番号 N22138)
化学合成油バウアー社純正合成油 (部品番号 N28355)

松原鉄工所 推奨潤滑油 平成17年2月現在
∗印は合成油
1.新日本石油(株)∗ フェアコール SA100
フェアコール A100
マリン T103
2.コスモ石油(株)∗ コスモレシプロ SX100
コスモレシプロ 100
コスモマリン 3000
コスモマリン 3005
コスモマリン 3010
3.(株)ジャパンエナジー∗ バーエルフ CH100
レシック N100
4.出光興産(株)ダフニーマリン コンプレッサ 100
5.昭和シェル石油(株)∗ コレナ オイル AP100
コレナ オイル P100
ガデニア 30
6.富士興産(株)コンプレッサ S100
7.モービル石油(株)∗ レーラス 827
レーラス 429
8.エッソ石油(株)エクスマ XA


2.2. オイル交換

潤滑オイルはコンプレッサーの稼働時間と共に劣化して行きます。劣化の度合いは使用環境(温度、湿度など)によって異なります。また、稼働時間が少なくても経年変化することもありますので、メーカーの指示に従って下さい。

各社取扱説明書からの参考情報

東亜潜水機(株)
新品のコンプレッサーの第1回目のオイル交換250時間目
オーバーホール後の第1回目のオイル交換250時間目
その後のオイル交換500時間ごと
(500時間に満たなくても、1年以内で交換してください)
バウアーコンプレッサー  交換時期
オイル交換は以下の表に従って行って下さい。
鉱物油の場合1000時間運転後
または1年ごと
化学合成油の場合2000時間運転後
または2年ごと

松原鉄工所
オイル交換時期
最初の運転は50時間、それ以降は100時間運転ごとにクランク室潤滑油を全量交換する。
運転時間が少なくても潤滑油の乳化がひどい時、長時間の運転で潤滑油が劣化した時は全量交換する。


2.3. オイルの洗浄除去

時として設備の運転操作ミスによって、オイルが設備の配管や親ビンに入ってしまうことがあります。配管内部や親ビン内部にオイルが付着してしまうとフィルターの薬剤を交換してもオイル分の混じった空気が出てきてしまい、配管の内部洗浄が必要になります。
配管を全部取り外して内部を中性洗剤で洗浄し、きれいな水を通して洗剤を洗い流し、最後に空気を通して乾燥します。
かなり手間暇の掛かる作業ですが、こうするしか方法がありません。

中性洗剤以外に、無害なオイル洗浄剤として「ブルーゴールド」という製品があります。蒸発が早いので洗浄後に空気を流すことで内部を乾燥できます。ブルーゴールドについては事務局にお問合せ下さい。

親ビン内部にオイルが入った場合には、専門工場でないと対応ができません。耐圧検査所に内部油洗浄を依頼して下さい。


3.充てんホース
充てんホース フレキシブル高圧充てんホースは、3年ごとに新品交換するように心がけて下さい。

ホースが劣化すると、外側皮膜の膨らみ、空気漏れを起こします。ひどい場合はバーストすることもあります。ホースにはタンク接続用ヨーク、配管バルブ接続用接ぎ手などの金属部品が付いているのでバーストしてホースが暴れたりすると周囲の設備を傷つけたり、怪我をしたりする場合があります。

ホースの劣化は目視で分かる場合もありますが、目視で異常がなくても強度的な劣化が進んでいる場合もあります。親ビンに空気を充てんしている時は、コンプレッサーが稼働していますが充てんホースには圧力が掛かっていないため、アワーメーターによる時間管理でホースの交換時期を知ることは困難です。
そのため、3年間をめどに新品に交換することを推奨します。

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