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このガイドラインは、ダイビング用空気充てん業務を行っている事業者が、清浄な圧縮空気を製造してダイバーに提供するために、その製造方法の注意事項をまとめ、情報として提供するものです。

ここに記載の情報は、予告なく変更することがあります。



目 次  (以下の項目クリックで、該当位置にジャンプ)

1.機器管理台帳
2.稼働時間管理
3.設備の設置場所
4.オーバーヒートの防止
5.化学合成油の使用
6.オイルへの水分混入
7.オイル交換時期
8.充てんホース交換時期
9.運転手順
 9.1. 運転前の点検
 9.2. 昇圧状態での試運転
 9.3. 充てん作業
 9.4. スクーバタンク接続時のチェック
 9.5. 充てん中のチェック
 9.6. 過充てん厳禁
 9.7. 運転停止
10.参考情報・設備配管の油分除去




1.機器管理台帳  参考例

充てん設備機器のメンテナンスおよび消耗品交換について、管理台帳を作成し記録を保管する
台帳の保管期間は最低5年間とする。
(法令では管理台帳の保存期間を定めていないが、CAPガイドラインとして5年間とする。)


2.稼働時間管理

各機器類のメンテナンスのために、設備の稼働時間を記録することが重要であり、各機器の定期メンテナンスの時期は、稼働時間によって管理する。
設備には稼働時間管理の為のアワーメーターが設置が強く推奨される。


3.設備の設置場所

コンプレッサーが汚染した空気を吸い込まない場所に設置すると共に、空気吸入口の位置に注意。
建屋は換気が十分であること。

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4.オーバーヒートの防止

コンプレッサーがオーバーヒートすると、油臭い空気や有毒ガスの発生により、中毒または酸欠になる場合がある。空冷式コンプレッサーの設置場所は、風通しが良く、必要に応じて換気扇を設置すること。


5.化学合成油の使用

オイルは必ず、コンプレッサーメーカー指定のオイルを使用する。
指定オイルに鉱物油と合成油の両方がある場合には、化学合成油の使用を強く推奨する。
∗ 合成油の方がカーボンの発生が少なく、潤滑能力、機器内部を清浄に保つ能力が優れている。

鉱物油を使用していたコンプレッサーを、合成油に変更する場合、鉱物油排出後、吸吐出弁、冷却管、フィルター、全ての圧縮空気用配管に、カーボン等の堆積物が付着していないか点検行い、清浄な状態にしてから合成油を使用する。
合成油はこれらの堆積物を溶かし出す作用があり、合成油に交換後、100時間運転の後、オイルの汚れ具合を調べ、汚れのひどい場合はオイルを交換する。


6.オイルへの水分混入

湿度が高い場合、凝縮した水分がオイルに混入することがある。水分が混入すると、クランクケース油量計から、オイルが白濁していたり油分と水分が分離しているのが確認できる。多量の水分混入は、クランクケース内可動部の焼き付きを起こす危険があるため、オイル交換をする。


7.オイル交換時期

メーカー指定時間内に、オイルを全量交換する。
また、使用していないときも、メーカー指定の期間内にオイル交換を行う。


8.充てんホース交換時期

おおよそ3年で交換する。


9.運転手順

9.1. 運転前の点検

潤滑油量のチェック
始動前に、各コンプレッサー取扱説明書に記載の正しい量を確認する。
オイル量が少ないと焼き付きの原因となる。
オイル量が多すぎると、オイルが炭化し、弁の焦げ付きを起こす。
∗ オイル量警告装置は、オイルが少ないときだけコンプレッサーを停止させるが、多すぎる場合は作動しない。
冷却水の注意(水冷式)
冷却水は原則として真水を使用する。海水で使用したあとは、真水で運転し海水を完全に洗い流す。冷却水温度は35℃以下のものを使用する。
手回しでの点検
プーリーを手で回し、異常が無いことを確認する。
手回しができない場合は、短時間起動させて点検する。
オートドレーンが無いものは、全てのドレンバルブを開にする
オートドレン装置付の場合は、手動に切り替え、開にする
充てんバルブも全て開にする
電源スイッチを入れ、2〜3回断続的に駆動させる。
回転に異常が無いことを確認する。
空冷式の場合は、冷却ファンの回転方法を確認する。
無負荷での試運転
ドレンバルブ、充てんバルブを開にした状態で、無負荷運転をし、以下をチェックする。
・運転音、・振動、・軸受け部の過熱、・電流値、・ドレンバルブからの空気放出状態
断水リレーの点検。(水冷式)
 断水リレーがある場合は、冷却水を止めて断水リレーの作動をチェック
空冷式は、冷却ファンの送風状態をチェック
駆動Vベルトのチェック
充てんホース先端から出る空気の臭いのチェック


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9.2. 昇圧状態での試運転

ドレンバルブや充てんバルブ等を閉にし、昇圧状態で以下をチェックする。
オートドレンは機能するようにしておく。
運転音、振動、軸受け部の過熱、電流値、冷却水の状態
冷却ファンの状態、駆動Vベルトのチェック、規定圧力で圧力スイッチによる自動停止の確認、圧力計の確認、配管・継手・ネジ・シール部等、接続部からの漏れのチェック


9.3. 充てん作業

∗ 充てん開始前にドレンを抜いておく。
コンプレッサーを起動しドレンバルブを閉にする。
オートドレンは手動スイッチをオフにする
充てんバルブを開く。充てん開始
オートドレン装置が無い場合は、15〜20分ごとに、ドレンバルブを開いてドレンを排出する。ドレン抜きが不十分だと、圧縮空気の質が悪くなるだけでなく、圧縮機の運転にも悪影響を及ぼし、空気清浄器薬剤の効果を低下させ、その寿命を極端に短くする。
充てん完了、タンクバルブと充てんバルブを閉にする
次に充てんするタンクを接続する。


9.4. スクーバタンク接続時のチェック

以下の項目をチェックする
タンク検査期限、・傷、錆、、火傷、変形、・ガス名表示が「AIR」であるか。
その他、異常が無いかチェック
危険防止のため急速充てんは行わない。アルミタンクの場合はタンクの温度上昇により材質変化の原因となる。
ドレンの巻き上げを防ぐため、ドレンセパレータ内の圧力を急激に下げない。
充てんホースをタンクに接続する前に、タンクバルブと充てんホースから空気を吹かし、水分やゴミを吹き飛ばす。


参考情報 高速(急速)充てんとは
ラックスファーのアルミニウム高圧ボンベは、絶対に高速充てんしないで下さい。当社ではスキューバボンベの充てん速度を毎分20−40気圧で行うようにお勧めいたします。
高速充てんとは、スキューバボンベを毎分69気圧以上で行う充てんのことです。


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9.5. 充てん中のチェック

冷却水出口温度(水冷式)
冷却水の出口温度が40℃以下であること確認し、それより高い場合は運転を停止して点検する。


9.6. 過充てん厳禁

バルブの安全弁は、タンクが過充てんされた状態だと設定圧力より高い圧力にならないと作動しなくなるため、過充てんは厳禁。
充てん圧力は35℃で常用最高圧力を越えてはならない。


9.7. 運転停止

規定圧力まで充てんが完了すると、圧力スイッチで自動停止
タンクバルブを閉にする
充てんバルブを閉にする
オートドレン装置が無い場合、全てのドレンバルブを開にする
オートドレン装置がある場合、手動スイッチをオンにする
全ての圧力計がゼロを示したら、充てん口バルブを開にする
内部の圧力が完全に抜けたら元電源を切る



10.参考情報・設備配管の油分除去

コンプレッサー設備のメンテナンス不良や不適切な運転操作によって、コンプレッサーのドレンが設備の配管内部に入ってしまう場合があります。
こうなると、コンプレッサー設備の薬剤交換を行っただけでは問題は解決できず、配管内の油分を除去しないと異臭のある空気がタンクに充てんされてしまいます。

配管内の油分を除去する方法には、次の方法があります。
1) 配管を継手部から外す。
2) 外した配管片側から内部に油分除去剤(液体)を入れ、反対側から抜く。これを数回繰り返す。
3) 油分除去剤が配管から全部抜けたら、配管内に残った油分除去剤を洗浄する。油分除去剤の洗浄には、使用した油分除去剤に合ったものを使用する。
その後、清水を配管内部に流し続けて薬剤を洗い流し、最後に空気を流して内部を乾燥する。
注意:油分除去剤は人体に無害なものを使用すること。
油分除去剤としては 家庭用の中性洗剤なども有効です。油分除去(脱脂)専用の薬剤で人体に無害な「ブルーゴールド(商品名)」などもあります。 ブルーゴールドについては事務局にお問合せ下さい。



以 上

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