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スクーバダイビングで使用する空気は、「大気」→「充てん設備」→「スクーバタンク」→「レギュレータ」→「ダイバー」という各行程を経ます。そのため、充てん設備が清浄な大気を吸い込んでも、空気が充てん設備、スクーバタンク、レギュレータを通ってくる間に、空気が汚染される可能性があります。
ここでは、ダイバーに供給される空気がどのような行程で作られるのか、そして充てん設備運転の注意について述べて行きます。
大気 矢印50 充てん設備
高圧空気充てん設備
矢印50
スクーバタンク
矢印50 レギュレータ
レギュレータ
矢印50 ダイバー


1.充てん設備は清浄な空気製造のベース

充てん設備は呼吸用圧縮空気を作るための一番最初の行程です。つまり高圧空気製造の元になる設備です。充てん設備で空気が汚れてしまうと、ダイバーはスクーバタンクやレギュレータを通って、その汚れた空気を吸うことになります。

また、空気が油分などひどく汚れていると、油分がタンク内部やレギュレータ内部に残り、それらがまた新たな汚染源になってしまいます。このような場合は、たとえタンクにきれいな空気を充てんしても、タンクまたはレギュレータ内に付着した油分によってダイバーは汚れた空気を吸うことになります。

実際に、充てん設備が汚染空気の原因である場合が多く、清浄な空気を作る上で最も重要な設備と言えます。


2.充てん設備の構成

一般的な充てん設備は、コンプレッサー、油水分離器(ドレンセパレーター)、空気フィルター、親ビン、充てん台、操作盤から構成されています。多くの場合、油水分離器とフィルター(清浄器)はコンプレッサー架台の中に組み込まれています。
圧縮機と空気フィルター
コンプレッサーとストレーナー
親ビン
親ビン
充てん台と操作盤
充てん台と操作盤



3.空気清浄の仕組み

コンプレッサーは潤滑のためにオイルを使用しており、コンプレッサー内では油分を含ませた空気を圧縮しています。
また圧縮の過程で空気中の水分が分離し水蒸気とになります。
このため、コンプレッサーから出てきたばかりの空気は多量の水分と油分を含んでいます。

ダイビングで使用する呼吸用の空気にするには、コンプレッサーから出てきた圧縮空気の中から水分と油分を取り除かなければなりません。この油分と水分を取り除く働きをしているのが油水分離器(ドレンセパレーター)です。
  (油分と水分の混ざった状態の液体をドレンといいます)

油水分離が不完全だとドレンの多く混ざった空気がスクーバタンクに充てんされ、タンクの内部腐食の原因や油の混ざった空気がダイバーに供給されます。

ドレンは空気を圧縮中に油水分離器の中に徐々に溜まって行くため、一定時間ごとに油水分離器からドレンを外部に排出する操作をします。オートドレン装置が付いている場合は、この操作が自動で行われます。

ドレンを取り除いた次の行程で、臭いや他の不純物を除去するための活性炭や薬剤入った空気フィルター(清浄器)を通し、きれいな空気にしてスクーバタンクに充てんされます。油水分離器と空気フィルターが一体になっている構造のものあります
空気清浄行程
空気清浄行程説明図のため、親ビンは省略

空気清浄システム 一体型


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