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1.きれいな空気とは
「きれいな空気」とはどんな空気のことを言うのでしょうか? 一般には高原や山の空気、海辺の空気、郊外の空気などを「きれいな空気」と言っています。これらは自動車の排気ガスや都市から出る有害物質が無いか少ない空気を言っているのでしょう。つまり、汚染物質が混ざっていない自然のままの大気をきれいな空気と言っています。
一般的に言われている「きれいな空気」とは別に、クリーンエアー・プログラム(CAP)では、下記のクリーンエアープログラム圧縮空気基準を満たしているものを「きれいな空気」と呼びます。
クリーンエアープログラム圧縮空気基準
項 目 | 基準値 |
酸素 | 20〜22 Vol % |
一酸化炭素 | 20 Vol ppm 以下 |
二酸化炭素 | 1000 Vol ppm 以下 |
水分 | 667.8 Vol ppm 以下 |
オイル及びオイルミスト | 着色が認められないこと |
臭い・チリ・汚物・金属粒子 | 臭いが無く、チリ・汚物・金属粒子の
混入が無いこと |
上記の基準は、2010年5月13日付でCPA基準として採択したものです。
この基準値は、1989年2月1日に「JIS S 7306 スクーバ用圧縮空気基準」として制定され、 2001年12月20日付でJISとしては廃止となったものです。
制定の過程では、専門家による検討、海外規格との比較など、十分な審議を行った上で制定されたものであることから、
検討の結果CAP基準値として適切であると判断され、採択されました。
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2.ダイビング用空気の汚染 ニオイ
呼吸用圧縮空気の汚染には様々なものがあります。一般に最も分かりやすいのは「ニオイ」です。しかし、ニオイがないからといって、その空気が清浄であるとは限りません。一酸化炭素や二酸化炭素は無味無臭ですから基準値以上にこうした汚染物質が含まれていたとしても、ニオイは出ないのです。
ここでは、まず「ニオイ」から話を始めたいと思います。
2.1. 空気のニオイ
空気は本来、「無臭・無味・無着色」ですから、清浄な呼吸用空気にニオイは有りません。しかしニオイは個人によって感じ方が異なるやっかいなものであるだけでなく、同じ人が同じニオイを嗅ぎ続けていると臭覚が麻痺してニオイを感じなくなります。
もう一つやっかいなことは、ニオイを測定する方法が無いことです。
そのため、一般的には複数の人によってニオイをチェックするという方法がとられます。
また人によっては、「タンクの空気は、こういうニオイがするもの」と思っている場合も有りますが、きれいな空気にニオイはありません。
清浄な空気と比較チェックする事でニオイの有無を判断出来ます。
2.2. ニオイのチェック
まず最初にタンクにレギュレーターを接続し、レギュレータのセカンドステージにあるパージボタンを押して、空気をゆっくり出してみます。
そしてマウスピースからゆっくり流れ出る空気のニオイを嗅いでみて下さい。もしニオイを感じた場合には、そのニオイがどこから出ているのかをチェックする必要があります。
レギュレーターから出てくる空気にニオイを感じる場合は、その原因がレギュレータにあるのか、タンクにあるのかを見分けます。
タンクからレギュレータを外し、タンクバルブから少量の空気を流し、そのニオイを嗅ぎます。この時にニオイがあれば、タンクから出てくる空気がニオイの原因です。タンクから出る空気にニオイがなければ、原因はレギュレータにあります。
2.3. ニオイの正体
ニオイは「ガス状物質」によってもたらされます。ガス状物質が出ないものからは、ニオイは発生しません。また、ガス状物質が出ていても、そのガス状物質にニオイがない場合もあります。
2.4. ニオイの影響
ニオイを強く感じるような状態でダイビングを実施すると気分が悪くなり、時として「おう吐」してしまう事もあります。ダイビング中に「おう吐」すると、むせたり、おう吐物がレギュレーター内部に引っかかったりして危険な状態になる事もあり得ます。そのため、空気にニオイを感じる時はダイビングを中止するか、タンクあるいはレギュレータを交換してからダイビングするようにします。
ニオイの原因が油分の場合でその程度がひどい場合は、肺に入った油分が「リポイド肺炎」を引き起こす可能性があります。しかしそれほどひどい油分の混入はレジャーダイビングではあまり例がありません。
2.5. レギュレータからのニオイ・その原因は?
レギュレータからのニオイは、部品として使われている「ゴム製品」または「樹脂類」からの場合と、組み立て時に使った潤滑剤(グリス)が考えられます。ゴム製品にはLPホース、低圧ダイアフラム、マウスピースなどがニオイの原因となる場合があり、樹脂類ではケース本体などが原因となる場合があります。潤滑剤は不適切なグリスなどを用いた場合にニオイが発生する事がありますが、メーカー指定のものが使われている限り、まずニオイは出ません。
金属類はガス状物質が出ないので、ニオイは発生しません。
2.6. スクーバタンクからのニオイ・その原因は?
最も多いのは、タンクに充てんされた空気が臭い場合です。「油粒子」や「ガス状の油分」が空気に混入すると油臭い空気になり、この油分に汚染された空気がタンクに充てんされることによってタンクから出てくる空気が油臭くなります。
空気に油分が混入するのは、充てん設備のメンテナンス不良や、不適切な充てん作業が原因です。
その他、タンク内部に油分が付着している場合もあります。こうした場合には清浄な空気を充てんしても、タンクから出てくる空気は油分で汚染された空気になってしまします。
充てん設備が原因か、それともタンク内部が問題かは充てん事業者でなければわかりません。
ニオイを感じたら充てん事業者にその旨を伝えるのがいいでしょう。
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