TOP > アルミタンク法改正の概要 > 法改正への対応 > 特定再検査の内容と検査工程
ここでは、スクーバタンクの再検査工程について法令上規定されている内容と、「ダイビング高圧ガス安全協会」がガイドラインとして定める内容の両方をそれぞれ区分けして記述しています。
ここでは、法令で規定されているアルミタンクの「特定再検査」の内容と「推奨検査工程」について記載し、別のページで「ダイビング高圧ガス安全協会ガイドライン」に基づく「検査内容と検査工程(アルミ、スチールの両方)」について掲載しました。
法令上定められている「特定再検査」内容と、推奨検査手順
【注意】 アルミタンクの特定再検査は、法令に基づいて登録されている「容器検査所」以外で検査を行っても、法令上の義務とされている特定再検査を行ったことにはなりません。
1.「特定再検査」の内容
アルミタンクの「特定再検査」内容に関して、新たに法令で定められた内容は以下の2点です。
- アルミ合金製スクーバタンクのバルブ取付部ねじ部及びその下部を目視で点検し、異常がないものを合格とする。
- タンクには合格した証明としてタンク肩部に打刻を行う。
2.推奨検査手順
(1) 刻印の確認(下表の刻印を確認し、検査台帳に記帳する)
「所有者登録記号番号」 | 「容器記号番号」 | 「V:内容積(g)」 |
「W:重量(Kg)」 | 「TP(MPa)」 | 「FP(MPa)」 |
「製造年月」 | 「製造者符号」 | 「前回再検査の検査所符号と年月」 |
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左図は Luxfar社「ラックスファーのスキューバボンベ目視検査ガイドブック」より引用 |
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(2) バルブ、ブーツの取り外し
残圧がないことを確認した後、バルブとブーツを取り外す。
バルブの形状によって、レンチを用いるものと、ソフトハンマーを用いるものがある。バルブの形状に合った工具を用いること。(モンキーレンチ使用の場合は、遊びがないようにサイズを調整し、正しい向きで使用する)
(3) バルブ取り付けねじ部の清掃
ねじ部にグリス等が付着している場合は、糸くずなどが出ないウエス等できれいに拭き取る。
合成樹脂製ブラシ等を用いてねじ部の汚れやさびを取り除く。
汚れやさびが取れにくい場合は、電動ドライバーのチャックに合成樹脂製ブラシを取り付け、温水などを用いて汚れやさびを取り除く。
【注意】 |
決して金属製ブラシを用いてはならない。金属製ブラシはアルミタンクを錆びさせる原因となる。
ねじ部清掃時に水分が容器内部に入った場合には、その後、内部洗浄、内部乾燥が必要となる。(内部洗浄、内部乾燥のための設備が必要です。) |
(4) ねじ部及びその下部の目視検査
照明付き拡大ミラー等を用いてねじ部及びその下部を目視で観察し、タンクのねじ部及びねじ部近傍部は、タンク軸方向の割れ等有害な傷又は異常がないものを合格とする。
【注意】 |
ねじ部より奥の「肩部」にクラックが発生している事例もあることから、肩部までの範囲を点検することが望ましい。 |
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(5) 打 刻
特定再検査合格の証明として、タンク肩部に以下を打刻する。
「容器検査所の符号」、「再検査合格 月−年」、「特定再検査の符号 S」
打刻例 SK 07−02 S
「SK」=検査所の符号
「07−02」=2002年7月に検査に合格した
「S」=特定再検査の符号
参考:耐圧試験を含むすべての検査項目を行った場合の刻印例
SK 07−02 L
(6) バルブ、ブーツ等の取付
タンクOリング当たり面に、傷やへこみがないことを確認。
バルブのタンク取付部Oリングは新品に交換することが望ましい。
ねじ部、Oリング部にメーカー指定のシリコーングリス等を適量塗り、トルクレンチを用いてメーカー指定の締め付けトルクで締め付ける。
(7) 特定再検査記録台帳への記入
検査結果を、「特定再検査記録台帳」に記録する。
(検査記録台帳例を書式類ページに掲載)
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